慢性副鼻腔炎は、副鼻腔の炎症が慢性化して膿が溜まってしまう病気です。「蓄膿症」と呼ばれることもあります。副鼻腔というのは、鼻腔を取り囲むように存在している顔の骨の中の、空洞の総称です。空洞の中は薄い粘膜で被われており、鼻腔とつながっています。
かぜなどによって起きた鼻腔の炎症が、細菌による二次感染を起こして副鼻腔の粘膜にまで及ぶと、粘膜が赤く腫れてきます。すると鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴に膿が溜まり、鼻水が絶えず出たり、鼻づまり、頭痛、頬のあたりの痛み、眼の痛みなどの症状が出てきます。これが「急性副鼻腔炎」という状態です。
急性副鼻腔炎は、きちんとした治療を受ければほとんどは治りますが、場合によっては炎症が長びき慢性副鼻腔炎になるおそれがあります。慢性副鼻腔炎では、炎症が続いているため細菌感染が繰り返し起こり、長期間にわたると慢性気管支炎などの合併症を引き起こすこともあります。
症状が軽い場合は、鼻腔内を洗浄したり、薬を内服したりすることで治癒します。症状がひどい場合や、薬物療法でも治らない場合には、手術を行います。上唇と歯肉の境を切開する方法もありますが、最近は鼻の穴から内視鏡を挿入して、悪いところを取り除く手術が多くなっています。子どもの場合は副鼻腔が発育段階なので、原則として手術は行わず薬物療法を行います。
慢性副鼻腔炎は、かぜをひきやすい人がかかりやすい病気です。また近年は、アレルギーが関係している慢性副鼻腔炎が増えているといわれており、アレルギー性鼻炎やアトピー、喘息などの人は、かかると治りにくいとされています。特に子どもがかかったら、慢性化させないように早めに専門医の診断を受けて治療しておくことが大事です。
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